「デザインができたのでコーディングお願いします」は危険!〜その発注、見落としはありませんか?事前確認チェックリスト〜

Webサイト制作の現場で、非常に多く耳にするのが「デザインが完成したので、コーディングお願いします」という発注フレーズ。一見すると制作フローどおりに進んでいるようですが、実はこれが“落とし穴”となり、プロジェクトに遅延や追加工数、品質のばらつきといった問題をもたらすことが少なくありません。
特に、デザインと実装を分業で行っている制作会社や広告代理店では、デザインデータの受け渡し時点で「仕様が不明確なまま開発が始まってしまう」ケースが多く、想定外のトラブルに発展するリスクがあります。
例えば——
- アニメーションが想像と違った
- レスポンシブ対応が不十分だった
- テキストのサイズ感や余白がバラバラ
- 管理画面が更新しづらい構造だった
こうしたすれ違いの背景には、「どこまでをデザインで定義すべきか」「どんな情報をエンジニアと共有すべきか」という共通認識の欠如があります。
では、こうしたトラブルを未然に防ぐには、どうすればよいのでしょうか?
なぜ「デザイン完了=コーディング開始」は危険なのか?
Web制作は“チーム競技”です。デザイナー・エンジニア・ディレクターが一丸となり、目的達成に向けてプロジェクトを進める必要があります。
ところが、実際の現場では「作業の分業」が「情報の分断」につながっている場面がよくあります。とりわけコーディングは、見えないところで大量の判断が必要なパートです。「静的なデザインを、動的なWebサイトに変換する」作業には、細かな仕様判断や想像力、そして設計思想の共有が欠かせません。
つまり、デザインデータの受け渡し時に、“どれだけの背景情報を共有できているか”がプロジェクトの成否を分けると言っても過言ではありません。
発注前チェックリスト(10項目)
それでは、どのような点を事前に確認しておけば、コーディング担当者が迷わず作業できる状態をつくれるのでしょうか?以下に、実務で役立つチェックリストをまとめました。
- サイトマップは明示されているか?
└ 各ページの構成や階層、リンク構造など - レスポンシブデザインの指示があるか?
└ スマホ・タブレット用の表示が明記されているか - ホバーやクリック時の動作指定はあるか?
└ ボタンやリンクの状態変化(hover/focus/active) - アニメーションの設計書または指定はあるか?
└ フェード、スライドなどの動きの種類やタイミング - フォント・文字サイズ・行間は統一されているか?
└ ページごとでルールがぶれていないか - モジュール化しやすい設計か?
└ 再利用可能なコンポーネント単位での設計になっているか - CMS連携が必要かつ、その仕様が明示されているか?
└ 入力項目/管理画面の構造など - SEO・アクセシビリティ要件はあるか?
└ メタ情報、画像alt、ARIA属性などへの配慮 - 素材(画像・テキスト・動画など)は揃っているか?
└ ストレージURLや補足情報も含めて - 開発スケジュール・マイルストーンは明確か?
└ 優先すべきページや、部分リリースの要望なども含む
このリストをもとに、社内用のテンプレートを作成しておくと、どのプロジェクトでも共通理解を形成しやすくなります。
まとめ:ひと手間の「共有」が、トラブルを防ぐ最善策
デザインデータが美しく仕上がっていても、それだけでは完成形にはなりません。エンジニアの頭の中にある“補完すべき情報”を明文化し、受発注時点での共通認識を揃えることこそが、良質なWebサイト制作の第一歩です。
「思っていたのと違う」ではなく、「思っていた通りだった」と言われる成果物をつくるために。次の発注から、チェックリストを一緒に渡してみませんか?
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