WebPとは?軽量画像でサイトを高速化しよう。
──画像形式の進化と、MARUTTOが取り組む“軽量化の未来”
画像形式の歴史から見えてくること
Webが誕生して30年あまり。
「画像の軽さ」は、常にサイト体験を左右するテーマでした。
1990年代はGIF、2000年代にはJPEGとPNGが主流になり、“画質と容量のバランス”をどう取るかが開発者の悩みの種でした。
GIFはアニメーションが強み、JPEGは写真表現、PNGは透過対応。
それぞれに得意分野がありながら、ファイルサイズの大きさや非効率さが課題として残っていました。
そんな中、Googleが開発したのが「WebP(ウェッピー)」という新しい画像フォーマットです。
WebPとは?──軽量化と高画質を両立する次世代フォーマット
WebPは、Googleが2010年に発表したオープンソースの画像形式です。
最大の特徴は、JPEGやPNGよりも約25〜35%軽量にもかかわらず、見た目の劣化をほとんど感じさせない点にあります。
WebPの主な特徴
- 圧縮率が高い:同画質でファイルサイズを小さくできる
- 透過(αチャンネル)対応:PNGの強みを継承
- アニメーション対応:GIFの代替としても利用可能
- ブラウザ対応が拡大:Chrome・Safari・Edge・Firefoxなど主要ブラウザで再生可能
つまり、JPEG・PNG・GIFの“いいとこ取り”をしたようなフォーマット。
Webの速度改善とデータ削減を同時に叶える存在です。
なぜWebPが注目されているのか
ここ数年、サイトの読み込み速度(PageSpeed)は、SEOやCVR(コンバージョン率)にも直結する指標になっています。
特にスマートフォンユーザーの増加により、通信速度の影響を受けやすくなった今、「ページが1秒でも早く開く」ことがビジネスに影響を与える時代です。
画像はWebページ全体のデータ量の約6〜7割を占めるとも言われています。
つまり、画像を軽くする=サイトの“体感スピード”を上げる最も効果的な方法。
WebPは、その最適解の一つとして世界的に採用が広がっています。
WebP対応で変わる制作現場
制作会社の視点で見ても、WebP対応はもはや「推奨」から「標準」へ。
FigmaやPhotoshopなど主要デザインツールもWebP出力に対応し、WordPressや各種CMSでもプラグインやネイティブ対応が進んでいます。
ただし、注意すべきは変換と最適化のプロセス。
単に拡張子を変えるだけでは意味がなく、画像の種類・用途・圧縮率を見極めた調整が必要です。
「どこまで圧縮しても違和感がないか」
「どの画像はWebP化しない方がいいか」
そんな“さじ加減”こそ、制作チームの経験が問われる部分です。
MARUTTOのWebP対応──速さの裏にある丁寧な最適化
MARUTTOでは、WebPの導入を早期に標準化。
納品サイトの多くで、画像軽量化とパフォーマンス改善を意識した構成を行っています。
具体的な取り組み
- コーディング段階での自動WebP変換(WebP+JPEG併用)
- ブラウザ判定スクリプトによる最適フォーマット出し分け
- Lighthouse・PageSpeed Insightsによる速度スコア測定
- クライアント側での運用も想定した画像管理ガイドの共有
「ただ軽くする」ではなく、“軽くしても美しい”状態を保つための最適化にこだわっています。
制作後の検証も欠かさず、パフォーマンスとデザインのバランスを両立させるチューニングを行っています。
WebPのその先へ──AVIFと、未来の画像フォーマット
WebPの次に注目されているのが「AVIF(エーブイアイエフ)」です。
NetflixやAmazonなどでも採用が進むこのフォーマットは、WebPよりさらに高圧縮・高画質を実現。
ただし、ブラウザ対応が完全ではなく、現状は過渡期にあります。
将来的には、WebPとAVIFのハイブリッド対応が主流になるかもしれません。
MARUTTOでも、AVIFを含めた次世代フォーマット対応を見据えて準備を進めています。
まとめ|「速さ」は“ユーザーへの思いやり”でもある
WebPは、単なる軽量画像の話ではありません。
それは、ユーザー体験を滑らかにするための技術です。
ページがスッと開く。
画像が美しく、でも軽い。
そんな「見えない工夫」が、ユーザーのストレスを減らし、ビジネスの成果につながっていく。
MARUTTOは、その“見えない技術”を支える裏方として、これからもサイトの速さと美しさを両立させていきます。