コーディング外注で失敗しないための実践ガイド

コーディング作業を外注したものの、「CMS化しづらい」「デザインが再現されていない」「仕様の確認が足りなかった」など、想定外の手戻りに悩んだことはありませんか?
外注は制作リソースを補う有効な手段である一方、外注パートナーとの取り組み方を間違えるとプロジェクト全体の納期に支障をきたすリスクも伴います。
この記事では、外注コーディングで後悔しないために、事前に知っておきたい視点と注意点をまとめました。
「聞いてくれればよかったのに」は一番避けたい事態
コーディング外注の現場で、多くの人が口をそろえて言うのが、「わからないことがあるなら、早めに聞いてほしかった」という言葉です。
デザインや設計の過程で、指示の抜けや曖昧さが生じるのは、忙しい制作現場ではある程度仕方のないことです。そして、私たちが実装作業の中でそうした仕様の不明点に直面したとき、判断に迷う場面は決して珍しくありません。
実際、完璧な指示書や仕様書が用意されているケースは少なく、進行中に内容が変更されることもよくあります。そんな中で、「仕様が不明だったのでそのまま進めた」「判断できなかったので保留にした」といった対応がなされてしまうと、テストアップ時や納品直前になって、「ここは指示がなかったので対応していません」という事態に繋がります。これは、依頼側にとって最も困る状況の一つではないでしょうか。
そうなってしまったら、修正対応のための時間が確保できていない場合、クライアントへの納期調整が発生したり、社内で急きょ作業を巻き取らなければならなくなったりと、関係者全体に大きな負担がかかります。本来であれば、少しの確認連絡さえあれば未然に防げたはずの手戻りが、結果としてプロジェクト全体に影響するトラブルへと発展することさえあるのです。外注業者が「今回は一度きりの案件だから」「言われたことだけをやっておけばいい」というスタンスで作業している場合、このような確認不足のリスクは大きくなります。一方で、「この仕様は解釈に幅がありそうなので、念のため確認させてください」「こちらの認識で進めて問題ないでしょうか?」と、疑問点を早い段階で投げかけてくれる外注パートナーは、たとえすべての作業が完璧でなくても、大変ありがたいものです。
デザインの再現度が低いのも意外と多い
「デザイン通りに仕上がっていない」というトラブルは、コーディング外注において非常によく見られます。ぱっと見では整っているように見えても、余白やフォントサイズ、hoverの挙動など、細かく見れば仕様どおりでない箇所が点在している――そんなケースは決して珍しくありません。
一つひとつは些細なズレでも、積み重なると「なんとなく違う」という印象になり、クライアントから修正を求められる原因になります。「とりあえず動いているからOK」という判断で仕上げられたコーディングは、最終チェックの段階で手戻りを招きやすく、進行全体に影響を及ぼします。
こうした事態を避けるためには、「見た目をきちんと再現できる外注先かどうか」をあらかじめ見極めておくことが大切です。
(再現するのは?何が難しいこととして記載しているでしょう?)難しいことではありません。基本的な指定を正確に読み取り、数値や細部の表現を丁寧に実装してくれるか。その“基本がしっかりしているかどうか”が、外注パートナーとしての信頼性を判断するひとつの指標になります。
CMS化を前提とした設計になっているか?
たとえば「まずはHTMLだけ外注で作成してもらい、その後に社内でCMSへのテンプレート化を行う」という制作フローは、特に中〜大規模な案件や複数ページを量産する案件ではよく採用される手法です。
一見すると合理的な進め方に見えますが、いざ戻ってきたHTMLコーディングを見て、「これはCMSへの組み込みがしづらい…」と感じた経験は、制作担当者であれば少なからずあるのではないでしょうか。
大きな原因の一つは、CMSへの実装を前提とした設計になっていないコーディングが納品されることです。たとえば、カテゴリ名やタクソノミーといった構造を意識せずにクラスが設計されているケースもあります。たとえば、同じようなパーツでもブロックごとに命名ルールがバラバラだったり、汎用性のない連番付きのclassが使われていたりする場合です。
また、ループで表示されることが明らかなパーツでも、静的なHTMLとして一つひとつ個別に記述されているだけで、繰り返し表示や条件分岐を見越した分割がなされていないケースも見受けられます。こうした実装では、テンプレート化に際して一から構造を見直さなければならず、結果的に大きな手戻りを生むことになります。
HTML単体で見れば一見きれいに書かれているようでも、「CMSに落とし込む段階でどう活かせるか?」という視点がないと、後工程で想定以上のリファクタリングや構造修正が必要になります。
このような構造的な問題は、CMS化の際にとどまらず、運用や保守のフェーズにおいても大きな負担として跳ね返ってくることが多々あります。
CMS対応のしやすさとは、単にHTMLが正しく書かれているかどうかではなく、その後の活用や流用までを見越した設計になっているかどうかで大きく変わります。 そのため、外注依頼時には「このHTMLをCMS化する予定がある」という前提や、想定している更新・運用の流れまでしっかりと共有しておくことが、結果的に、余計な手戻りやストレスを避けるための有効な一手になります。
制作フローを止めない外注パートナーとは?
外注コーディングがスムーズに進んだ案件を振り返ると、派手なスキルやパフォーマンスよりも、「当たり前のことを丁寧に積み重ねる」外注パートナーと組んでいたケースが多いのではないでしょうか。
たとえば、設計に揺らぎがある部分や仕様が不明確な箇所に対して、早い段階で確認を入れてくれること。急な仕様変更にも、一方的に突っぱねるのではなく、「ここまでは対応可能です」「それ以上はご相談ください」と建設的に向き合ってくれること。そうした一言があるだけで、プロジェクト全体の流れは大きく変わってきます。
命名規則やファイル構成が整理されていて、CMS組み込みや更新作業がしやすいことも、実務上は非常に重要です。
依頼側としては「そこまで細かく説明しなくても、意図を汲んで動いてくれる」外注先がいるだけで、社内ディレクションや検収の負担が大きく軽減されます。
私たちは、外注先は単なる“作業請負”ではなく、制作チームの一員であるべきだと考えています。
「自分が納品して終わり」ではなく、「このあと誰がどう使うのか」「更新や運用にどんな影響があるのか」までを考えて動けるかどうか。そうした意識を持つ外注パートナーがいることで、プロジェクトは止まらず、進行はスムーズになります。
良い外注パートナーとは、単に「安くて速い」ではなく、「このチームに加わってもらいたい」と思える存在かどうか。 外注先の選定は、プロジェクトの質を左右する“チーム編成”そのものだと、私たちは考えています。
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この記事で紹介してきたような、「CMSへの組み込みのしやすさ」や「デザイン再現性の高さ」、「仕様確認の柔軟さ」などは、実際の外注パートナー選びで非常に重要な観点です。
もし、これまでの外注経験で「手戻りが多い」「細かい部分まで意図が伝わらない」といった悩みを感じたことがある方には、私たちが提供するMARUTTOコーディングサービスをぜひ知っていただきたいと考えています。
MARUTTOでは、単にデザインカンプをHTMLに変換するだけでなく、その先のCMS実装や運用、SEOを含めた“プロジェクト全体”の流れを見据えたコーディングを心がけています。
「HTMLが整っていればあとは何とかなる」ではなく、将来的なテンプレート化やページの量産、コンポーネントの再利用といったフェーズにおいても“自然に使える”ことを前提に、構造や命名を設計しています。
たとえば、以下のようなポイントに配慮しています:
- CMS化・パーツ流用を前提とした構造設計とクラス命名
- 更新運用のしやすさを意識した柔軟な設計方針
- 仕様の曖昧さをそのまま進めず、適宜確認・提案を実施
- 制作会社や代理店の進行体制・納期にあわせた柔軟な連携
また、MARUTTOではチャットやオンラインミーティングを活用し、コミュニケーションのすれ違いを最小限に抑える体制を整えています。この体制がスムーズに進行させる大きなポイントでもあります。
依頼された作業だけを淡々とこなすのではなく、制作チームの一員として思考し、動くことを大切にしています。
「細かい部分まで丁寧に対応してくれる外注先を探している」
「CMSにスムーズに組み込める、実務をわかっているコーダーと組みたい」
そんなお悩みをお持ちであれば、私たちがお力になれるかもしれません。 まずはお気軽にご相談ください。課題や進行状況にあわせて、最適なご提案をさせていただきます。
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